カメラマンの日常。
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ダンボール製ポラロイドカメラが超楽しそうな件


正確には「ポラロイドカメラ」ではなく「インスタントカメラ」ですね。

正式名はJollylook|カードボード製ヴィンテージインスタントカメラ「ジョリールック」という。
まあ以下の現物動画を見てもらえばワクワク感は分かってもらえると思う。



これね、形もいいし操作もシンプル。ファインダーを引き出す事によりシャッタースプリングをチャージする機構なんかも秀逸、

絞りとシャッタースピードを自分で組み合わせなければいけないがそこがいい、カメラはプリミティブであればあるほど撮影者の意思どおりの画が撮れるのだ。それに慣れればこちらのほうが安心してシャッターを押す事ができる、失敗も成功もすべて自分の責任ということであきらめもつくしいい画が撮れた時の喜びも格別だ。

本来カメラとはそういうものなのだ。

形は言うまでもなくまんまスプリングカメラ、赤い蛇腹も洒落てるがいやらしくはない。躯体がシンプルなので赤がいいアクセントになってる.収納した時の形が真四角の箱のなるのもいい。往年の名機POLAROID SX-70もそうだった。ただの四角い箱がカメラに変形!場が盛り上がる事間違いなし、インスタントカメラはこうでなくっちゃ。

肝心の値段はと言うと送料込みで6000円程度、安い。送料別で6999円、送料は日本だと1600円。ダンボールとは言っても圧縮加工されたいわゆる「カードボード」のようなのである程度耐久性もあると思われる。

フイルムはこの手のプロダクト定番のインスタックスだ、フィルを供給し続けるフジフイルムもえらいぞ!

今や世の中には撮ったらカメラからすぐプリントが出てくるカメラは増えてきたがが感熱インクかインクジェットが多い。薬品現像式のインスタントフィルムのあの「じわじわ」画が出てくる魔術的な感じの魅力にはとてもかなわない(個人的嗜好だが)

と色々書いたが残念ながらまだ発売されてない。2017年7月発売予定のいわゆるクラウドファインディング製品だ。現地での商品値段は$35、これに送料やなにやらがついて日本では先にも書いたが6000円程度になる予定らしい。
詳細は以下をクリック。

Jollylook|カードボード製ヴィンテージインスタントカメラ「ジョリールック」


元値が$35なのを知ってしまうとちょっと萎えるがこの楽しそうなガジェットが日本で6000円ちょっとなら自分的には買いかな。送料込みで8590円なら、、やっぱりちょっと微妙かな。

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フイルムカメラに還るvol.15 ヤシカエレクトロ35GT


それはひっそりと大森海岸駅そばに営業するカメラ屋で見つけた。

まだ品川にアトレ品川ができる前の大昔の話だ。その日はしながわ水族館に行くため大森海岸駅に行ったのだが品川から大森海岸駅に向かうまでの道程が形容しがたい陰鬱な雰囲気だったのを覚えている。

当のカメラ屋もそんな街の雰囲気とマッチするねじ式にでも出てきそうな暗い感じだった。

だが実はそういうカメラ屋が自分は大好物なので躊躇せずドアを開けた。

果たして結果は。

大ビンゴ!中古のカメラやレンズがところ狭しと並べてあるのだがまるで80年代といわず70年代で時が止まったかのような品揃え、おまけに安い!

夢中になって物色したがどうやら半数はジャンクのようだ。いや、全然オッケー、料金もいわゆるジャンクの値段で安い、普通のカメラ屋のようにジャンクかごに打ち捨てられずそれなりに陳列しているところに愛を感じた。

ひとこと断って動作確認を始めたがあまりに安いのでジャンクだと思っていた商品達は特に動作に問題なさそうだ。

店主に「安いですね」と聞くと「置いててもしょうがないからね、よかったら買っていってよ」と

ええ買いますとも、と心の中でつぶやいた。

最初に手にしたのは8ミリ映写機、カメラじゃないけどあまりに安い上に実働品だったのでつい(笑)それと80年代の全金属製携帯三脚、今でも携帯三脚はあるが総じてプラ製のうえに安っぽい、「携帯」と名はついてるがとても持ち歩きたいような質感じゃない。これは作りも丁寧で所有する喜びを満足させるくらいの出来だ。これが500円、買わないわけにはいくまい。

この辺で気を落ち着けてカメラを見る。まず目についたのがオリンパスオートアイ、これはセレンが不調のようでホントにジャンクだが300円、ちょうどウチにあるオリンパスオートアイがシャッター不調なのでニコイチするかなと思い買う。

そしてその奥のほうにボロボロの革ケース、鼻には「YASHICA」のプレート。その当時なぜかヤシカエレクトロシリーズにはまっていたので店主に見ていいかと聞き手に取る。

中身はエレクトロ35GTだった、しかもブラックボディ。自分はヤシカ好きだがヤシカシルバーモデルのメッキだけはいただけない、なんであんなにピカピカなんだよといつも思う。多分ワンマン社長の趣味だったんだろうがあれだけは個人的にホントに解せない、まあどうでもいい話だが。

なのでヤシカシリーズはブラックボディしか興味が無いのだがこれまたビンゴ!値札がついてなかったので店主に値段を聞いたところ「んー、ケースもボロボロだし電池ももう売ってないから500円でいいよ」

あんた神だよ!店主!とこれまた心の中でつぶやいた。

そういうわけで我が家にエレクトロ35GTが来たわけだがあらためて見ると写真で見るよりはるかに高級感がある。日本インダストリアルデザインの雄、あのGKデザインがデザインしただけのことはある。

さて実写。電池はネット情報を参考にLR44を4個に高さをネジで調整しことなきを得る。元の電池とは電圧が多少違うらしいがカラーネガなので細かいことは気にしない。レンズはカラーヤシノンなのでカラー発色も問題ないはず。

そして上がってきた写真はヤシノンらしい描写、同時代のカメラだとウチには同じレンズスペックの45ミリ/F1.7レンズのキャノネットQL−17があるがキヤノンのかりっとした感じに比べてヤシノンはまったりコクのある感じ。性格は違うがさすが富岡光学製ヤシノンレンズという描写を見せてくれた。エレクトロシリーズは500万代以上売れて中古市場で膨大な玉数があるために捨て値同然だが一定数の熱狂的ファンがいるのもうなずける。

中古カメラは値段じゃないね。

ーヤシカエレクトロ35GT性能諸元ー

形式:35mm電子シャッター式EEカメラ
レンズ:45mm/F1.7 4群6枚 YASHINON-DXレンズ
撮影距離:0.8m〜∞ レンジファインダー
シャッター バルブ、オート(1/30〜1/500)、ストロボモード(1/30)
露出および補正:絞り優先EE 受光素子はCds 
フイルム感度:ISO12〜500
ストロボ:なし
アクセサリーシュー:あり(接点なし)、X接点あり
ファインダー:パララックス自動補正ブライトフレーム 倍率0.65 
電池:H4N(5.6V水銀電池)×1個 
大きさ:140(幅)×84(高さ)×73.5(奥行き)mm
重量:750g


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フイルムカメラに還るvol.15 初代 olympus pen を写ルンですにする方法



1950年代、まだまだカメラがマニアのもので大きく重い時代に万年筆やボールペンの如く、皆がが常に携行して邪魔にならず簡単にに使えそうなカメラを作ろうという志で作られたカメラ。それがオリンパスペンだった。

ただ小さくするためならスプリングカメラにする方法や16mmフイルムを使うという案もあったが前者は速写性に欠け後者はフイルムが手軽に手に入らないという理由で没となる。

ここで選択肢として上がったのが24×24mmの正方形フォーマットと24×18mmのシングルフレームが検討される。(元々35mmフィルムはシネフイルムの転用でシネで使用時の24×18mmフォーマットを2倍使った24×36mm、いわゆるライカ判は「ダブルフレーム」、24×18mmフォーマットは「シングルフレーム」もしくは「シネ版」と当時呼ばれていた)

24×24mmの正方形フォーマットはレンズの画角や焦点距離の関係でレンズ部を薄くすることが出来ず不採用となりシングルフレームで開発されることとなる。

さてそのシングルフレームのカメラ、いわゆるハーフサイズカメラはじつはペンが最初ではなく1912年アメリカのツーリストマルチプルや1925年アンスコメモ、1933年にドイツのコレレKなどがあるがいずれも大きく使いにくい上に当時はライカ判の35mmダブルフレームでもフイルムサイズが「小さい!」といわれていた時代なのでヒットすることはなかった。

そして昭和30年代、フィルムの性能は格段の進歩を遂げ4枚玉ズイコーレンズの性能も相まってペンの開発がスタートされることとなる。設計者に課せられた課題は「一ミリでも小さく」ということだったがその制約の中でも画質を削らず使いやすさも求めなおかつ6000円台という当時としては破格の値段を成立させることができたのはやはり設計者米谷氏の才能によるところが大きかったのだろう。ただ初代機は原価計算の結果オリンパス本体で製造できず三光商事という別会社を立ち上げて発売にこぎつけたという逸話がある。

そんな初代オリンパスペンだが今さわっても絶妙なサイズ感や使いやすさには感心する、さっと撮りだして撮る気にさせてくれるカメラだ。発売当時初心者からプロまで絶賛され爆発的ヒットを飛ばしたというのもうなずける。ウチの子達の中でも稼働率はかなり上位になる。


最近の自分の使い方はまあモノクロフィルムもいいのだが露出とか多少いい加減でも大丈夫なラチュードの超広いフジカラー SUPERIA PREMIUM 400を使うことが多い。このフィルムはおそらく写ルンですと同じフィルムだと思われるので(今更写ルンです専用フイルム製造ラインを独立させているとは考えにくい)ラチュードの広さは超がつくレベル。ご存知の方も多いと思うが写ルンですはシャター絞りともに固定で光量の変化にフイルムのラチュードの広さで対応するというフイルムメーカーならではの力技で対応したカメラだ。
そこでペンの各種設定を写ルンですの固定シャッタースピード・絞りにあわせてセットしてさらに焦点距離も3mあたりに固定するとペンが高級写ルンですになり写ルンですで撮れるところはすべて写ルンですのように押すだけで撮れるカメラになるというわけだ。

写ルンですシンプルエース400の設定は絞りF10シャッタースピード1/140秒。これに近い値にペンをセットすれば屋外では無敵の速写カメラ、屋内でもISOが400あるので絞りをあけてシャッタースピードを落とせば無問題。penはレンズがいいのでハーフサイズでも写ルンですと同等もしくはよりキレイに撮れることも。
屋内を重点的に撮るのなら写ルンです1600ハイスピードのフイルムフジカラー NATURA 1600を使うという手もある。こちらの設定は絞りF14シャッタースピード1/200秒。これで屋外はOK、そして屋内は400と同じように絞りをあけてシャッタースピードを落とせば室内ノーフラッシュで楽勝。ただし400に比べるとオーバーやアンダーになったとき粒状感はある、自分はそれほど気にならないが気になる人は気になるかもしれない。

ちなみにモノクロフィルムはフィルムの特性的にアンダー側のラチュードには余裕があるがオーバー側が弱い。

この使い方、同じペンでも押すだけカメラのpen EEあたりだとちょっと難しい。EEのASA感度設定に1600なんてのは無いからね。

難しい顔をして絞りやシャッタースピードに悩むより気軽にシャッターを押すのがペンの正しい使い方なのだ。


ーー以下初代ペンデータ(wikiより抜粋)ーー

ペン(1959年10月発売) - Dズイコー2.8cmF3.5付。直進ヘリコイドには5、2m位置にクリックがある。最短撮影距離0.6m。シャッターはコパル製#000、2枚羽根でB、1/25-1/200秒の4速。当初は原価計算上オリンパス本体で製造することができず、三光商事という別会社を立ち上げて発売にこぎつけた。目標の6,000円は達成できなかったが充分以上の競争力を持つ6,800円で発売された。シャッターボタンが長方形で横長なのが特徴で、初期のモデルは横方向にスジが入っているが、後のものは縦方向に筋が入っている。また最初期にはファインダー窓にプラスチックが用いられたものがある。
ペンS(1960年7月発売) - ペンの高級型。Dズイコー3cmF2.8付。シャッターはコパル製5枚羽根でB、1/8-1/250秒の6速。
ペンS3.5(1965年2月発売)- Dズイコー2.8cmF3.5付。その他はペンSと同じ。








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フイルムカメラに還るvol.14 偉大なるバカチョンカメラ「オリンパスPEN EE」



バカチョンカメラとは言うまでもなく誰でも押すだけで撮れるカメラのことである。

なぜかチョンの言葉に反応したあの国のひとが「差別だ」と騒いだため現在は放送禁止用語になっているようだが本来この「チョン」というのは「『半人前』や『取るに足らない人』のことを、芝居の終わりに打つ拍子木の音になぞらえた言葉であったとされ江戸時代から使われてたこの言葉をあてたというのが定説だと言われている。とはいえすでに今のカメラがほぼすべて押すだけカメラになってる現在、この言葉自体も死語になりつつあると聞く。

まあそんなことはどうでもよくてこのカメラが偉大なのは色々あるのだがその最たる物は押すだけカメラで普段カメラを使ったことのないような人を対象にしているにもかかわらず画質に一切の妥協がないということだろう。

この頃の値段的にいわゆる初心者向けカメラ(1950〜1960年頃)と言えるものといえば豊栄産業のアニー10や一光社のスタート−35が思い起こされるがいずれもレンズの出来はひどく絞りを絞り込まなければ諸処の収差のため仕上がりは見るに耐えないものだった。

そこに1961年、1万円という価格で出たこのカメラ。1961年の消費者物価指数は日本銀行のHPによると現在の4,1倍らしいので今の価格に直すと約4万円、一昔前のコンデジの価格だ。家族みんなが使うカメラの価格としては妥当だろう。

そして何より凄いのはピント合わせまで不要とした点だ。このあとキヤノンデミやペトリハーフなどペンに触発されて日本でハーフサイズカメラが乱発されることとなるのだがピント合わせまで不要としたカメラはおそらくなかっただろう、他はすべて目測でピントを合わせるタイプだ。

これはPENがオートフォーカスなわけではなく単純に「被写界深度」の深さを利用しているだけなのだ。とはいえその被写界深度の深いペンのレンズといえど開放で景色を撮られるとちとキツい物がある。だが昼間の風景なら光量があるのでおのずと絞りは絞り込まれパンフォーカスとなる、みんなで出かけて集合写真といえばやっぱり昼間だろう。しかし室内では暗いのでEEにより絞りは開放付近となるが家の中でたとえば子供などを撮るとすれば被写体は元々のピント位置3M前後となりピントが合う。(昔はカメラの性能の問題で料理などを撮るいわゆる「テーブルフォト」はレンズ交換可能な高級カメラの出番となり一般人が今のように料理を気軽にアップで撮るという風習はなかった)

カメラとは高級で使うためにはそれなりの作法を身につけるのがあたりまえだった時代にこの割り切りは本当に凄いと思う。このカメラの設計者米谷氏が天才といわれるのは独創的な機構などいろいろあるがこの発想の転換こそ天才たる所以だと思う。

この後真のバカチョンカメラと呼べるカメラはオートフォーカスの一般化まで数十年を待つこととなる。

ちなみに写ルンですも押すだけでピント合わせ不要だがあれは固定絞りで絞りを絞り込んで1mから無限遠までピントが合うように超パンフォーカスにしてある。だがそれだと暗い場所で撮れなくなりそうだがそこはフィルムメーカーの強み、元々ネガフィルムはラチュードが広いのだがさらにラチュードを広くしなおかつ感度も高い専用フイルムを開発するという力技でのりきった。このフィルムは写ルンです専用フィルムだったが業界誌でフィルム新開発の情報を知ったプロカメラマンたちにより、解体してフィルムを巻き取りパトローネを取り出して通常のカメラに詰めるという使われ方をしたをしたためこれを見た富士フイルムは商品化することに踏み切り1994年9月、スーパーG ACE800として発売したという逸話まである。


●以下諸元

製造会社:オリンパス光学工業
発売年:1962年(昭和37年)
フォーマット:35mmハーフサイズ
レンズ:OLIMPUS D.ZUIKO 28mm F3.5/3群4枚
焦点調節:固定焦点(3.2m)
ファインダー:アルバダ式ブライトフレーム
シャッター速度:前期型1/60固定、後期型1/30・1/250
露出計:セレン光電池
露出制御:プログラム自動露出
感度設定:ASA10〜200
サイズ(実測):108x66x42mm 350g
その他装備:シンクロソケット・レリーズソケット


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フイルムカメラに還るvol.13 人類の進歩と調和!ヤシカエレクトロ35CC


「人類の進歩と調和!」っていきなり言われてもなんのことやらわからないと思いますがこれ1970年大阪万博のキャッチコピーです。

「ローソクの光でもとれる」というのがF1,8という明るいレンズをつけたヤシカシリーズの謳い文句でしたが万博当時は「万博の夜景がとれる」という方向で攻めてたようで。
その中でも35CCは35mmという広角レンズによりパビリオンの中とかを撮るのにも向いていたと思うのだが残念ながら発売は1970年12月ですでに万博終了あと。

そう、エレクトロ35シリーズというヒット商品のなかで最も広角な(35mm4群6枚構成)F1.8の大口径レンズをつけなおかつコンパクト。コンパクト化競争の始まった当時のカメラ業界の中でヤシカの意欲作だ。

ヤシカのエレクトロシリーズといえば1966年7月に発売された初代から絞り優先AEで、45mmまたは40mmという標準系のレンズを搭載しており意欲的に電子制御(原始的だが)を売りにしてた以外はまあ悪くいえば凡庸なカメラだったがここにきて同時期のライバル機種にはない35mm広角レンズでなおかつF1.8の明るさという武器を手にすることとなる。

以下、このカメラの簡単な説明をするとブライトフレーム付きファインダーの距離計連動機で、ヤシカ伝統の絞り優先自動露出。フィルム感度はISO25〜400まで対応。電池は現行の4LR44を1本使うので以前のエレクトロシリーズが今は販売終了した水銀電池を使用しアダプタを使わないと電池が使えないのに対して安心。そして万一電池が消耗しても電池を抜いてシャッターを切れば1/90秒単速メカシャッター機となるのは便利だ。シャッターのストロークは長いシャッターボタンからもわかるように割と深い方だが慣れれば押しやすい。シャッター音は「プチュッ」というかすかな音で静かだ。絞り羽根が2枚なので絞ると円形にならないため奇麗なボケ味を期待しない方がよい。

このカメラ35mmという広角レンズに絞り優先AEという性格上実はスナップカメラやお散歩カメラとして非常に使いやすいため一部に熱狂的なマニアが存在する(自分もその一人だが)

この時期のコンパクトカメラはデザインや使いやすさ含め機械式コンパクトカメラとして個人的には最終進化形態と思っている。「電子カメラ」と名前は付いているが光の変化による電圧の変化を針で機械的に拾い動作させるという極めてプリミティブな構造でありまさにその所作は機械的。これ以降のコンパクトはボディがプラになり質感が評するに値しなかったりフラッシュ内蔵によりデザイン的スマートさが皆無になったりと気分的に所有して使うに耐えない機種ばかりになったように思う。

cdsやセレンの劣化を気にする向きもあると思うが「電子式」と名のつく70年代機械式カメラはそうそう死なない。死んでても電池の液漏れで接点不良とかリード線がさびて断線とかがほとんど。受光部のCDSの寿命はネットでは30年と言われる根拠不明の怪情報があるがウチにあるCDS機達は50年前の機種でも全く問題なく動作(CDS自体寿命はあるらしいが)セレンに至っては「セレンは死なない」と言う言葉もあるくらいでウチのセレン機達ももちろん問題ない。おそらく自分より長生きするだろうと確信している。

マニュアル機と違い手軽に使えなおかつ金属の質感が素晴らしい70年代コンパクトカメラ。中古市場では今やタダのような値段で底値だが名より実を取る人には楽しい相棒になることを保証する。



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フイルムカメラに還るvol.12 老兵は死なず OLYMPUS ワイド


オリンパスワイドII (1958)
オリンパスワイドII
時代の要求に応えて、「オリンパスワイド」のシャッターをセルフタイマー付きのコパルMXV(B、1〜1/500秒)として、最高速をアップさせました。フィルム巻き上げはレバー方式に改良されています。価格は15,900円(ケース付)。

オリンパスHPより

ー昭和33年当時の物価ー
大卒初任給 約1万3,500円、対して平成26年大卒初任給は20万2,900円。
約15倍の開きであることを勘案するとこのカメラの現在価格は約23万8,000円となりそうだ。

今の基準で考えるとレンズ交換もできずファインダーはフレームがあるだけのただの素通し。ピント合わせも目測のカメラにとても20万円出せないが前回紹介したカメラキヤノンVLも1958年発売で値段は9万8,000円、現在の価格にして約147万円なことを考えると妥当なところかもしれない。カメラという物の値段がいかにデフレを起こしているかがよくわかる。まあ戦前なんかは日本でライカを買おうとしたら家一軒の値段がしたといわれていたくらいだからそれと比べると安いのか?

このカメラ、さっきの話でわかるようにレンズ交換のできるカメラはまだまだ高く庶民には高嶺の花で一般に普及していたのはレンズ交換ができずファインダーは距離計連動してないのでピントを目測で合わせるカメラ、レンズは50mm〜40mmの標準レンズがついたものが主流だった頃にレンズ交換カメラのような広角写真が撮れるということで好評を博した。

最近のカメラに慣れてる御仁には「35mmで広角?中途半端!」と思われるかもしれないが当時は(今もだが)35mmは立派な広角です(キリッ

それに35mmといえばいわゆるスナップには最適の焦点距離。
今まではライカなどのレンズ交換式カメラでないと撮れなかった絵が撮れるということでこのカメラ以降広角カメラブームが起こることとなる。それにこういうレンズシャッターカメラはレンズ交換式のフォーカルプレーンシャッターよりさらに静かなので当時街中スナップに重宝されたという話にもうなづける、ちょっと不安になるくらい「コトリ」という静かな音しかしない。

このカメラ、中野の某カメラ店でジャンク箱に100円で入っていた。動作には問題ないのだがなぜか軍艦部のアクセサリーシューがはぎ取られていた。アクセサリーシューが無いだけで結構悲しい姿になっているがまあ100円だしばらして遊ぶかなとおもい購入した。

家に帰っていじってるとふとマイジャンクボックスにペンタックスSP用の後付けアクセサリーシューが何個か余ってるのを思い出し探ってみたらあった。

「これを外してつけてみようか」

などと考えてばらして(壊して)シューのトップだけ取り外し見てみるとロウ付けかハンダでついていたようだ、なのでオリンパスワイドのほうにもハンダでつけることにした。軍艦とシューの間にハンダ玉を入れて上からコテで熱するとハンダが広がりあっというまにくっついた。

そんなわけでマイジャンク箱行きは逃れ我が家にまたカメラが一台、増えてしまった。



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フイルムカメラに還るvol.11 キヤノンの迷宮Canon VL



発売年月 1958年(昭和33年)3月
発売時価格 98,000円
VT型の底部巻き上げトリガーを一般的な軍艦上部巻き上げレバーに変更したモデル


1954年秋ライカM3発売以降ほとんどのカメラメーカーがLマウントレンジファインダーカメラの製造から撤退し始めた。その理由はM3のピント精度の高さや完成度に世界中のカメラメーカーが驚異を覚えたからだといわれる。

ドイツのケルン市で開催された国際カメラショー第4回フォトキナで発表されたそのライカM3の衝撃はVT型の発売までの約2年という長きに渡って沈黙したキヤノンからも見て取れる。

しかしキヤノンはVTを皮切りに、いわゆるライカとはまったく違うデザインとポリシーでレンジファインダーカメラを製造し続けた。すべてにおいて極めてまじめに、そして誠実に造られた。キヤノンレンジファインダーカメラの黄金時代ともいえる頃である。

その一連のキヤノンレンジファインダーカメラのひとつがこのCanon VLである。

手にしてみるとずっしりとした重量感が圧巻で手に持った感じはライカより精密感があふれる。往年の日本物作り精神、いや執念さえ感じる機体だ。

ところでこのV世代はかなり派生型がありその上ほとんど形が同じで見分けがつかない故これ以上手に入れる気にならないのだが主なVシリーズの見分けるポイントなどを書いてみる。

【VT】
発売時期:1956/8
最高シャッター速度:1/1000
シャッター幕:金属幕
セルフタイマー:あり
巻き戻しクランク:ポップアップ
フィルム巻き上げ:底部トリガー

【VTDX】
発売時期:1957/5
最高シャッター速度:1/1000
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:あり
巻き戻しクランク:折り畳みクランク
フィルム巻き上げ:底部トリガー


【VL】
発売時期:1958/3
最高シャッター速度:1/1000
シャッター幕:金属幕
セルフタイマー:あり
巻き戻しクランク:折り畳みクランク
フィルム巻き上げ:軍艦上部レバー
フラッシュシンクロ:FP/M-F/X、レバー切替

【VL2】
発売時期:1958/3
最高シャッター速度:1/500
シャッター幕:金属幕
セルフタイマー:あり
巻き戻しクランク:ポップアップノブ
フィルム巻き上げ:軍艦上部レバー
フラッシュシンクロ:FP/M-F/X、レバー切替

【L1】
発売時期:1957/5
最高シャッター速度:1/1000
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:なし
巻き戻しクランク:折り畳みクランク
フィルム巻き上げ:軍艦上部レバー
フラッシュシンクロ:FP/M-F/X、レバー切替

【L2】
発売時期:1957/3
最高シャッター速度:1/500
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:なし
巻き戻しクランク:ポップアップノブ
フィルム巻き上げ:軍艦上部レバー
フラッシュシンクロ:FPのみ

【L3】
発売時期:1957/11
最高シャッター速度:1/500
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:なし
巻き戻しクランク:ポップアップノブ
フィルム巻き上げ:軍艦上部レバー
フラッシュシンクロ:なし



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フイルムカメラに還るvol.10 初心者向け入門機?いやいや名機ですよ!「オリンパストリップ35」


時は1968年、一般にもカラーネガが浸透しだすが当時のカラーネガはまだまだ粒子が粗く当時人気のハーフサイズのカメラに使うとプリント時にざらつきが目立ち使いにくかったためオリンパスペンなどのハーフサイズカメラは下火になって行った。

海外ではプリントではなくスライドを使うのでもともとハーフサイズカメラは人気がなかったことも相まってオリンパスはオリンパスPENの35mm版カメラを海外向けに発表した。

1967年にローライ35が発売され35mmフルサイズでもここまで小さくできるということを見せられ感化されたこともあるだろうがローライの一年後にこれだけ完成されたカメラを出せるというのは当時のオリンパスの先見性を見ることができる。

この年に発売された日本のコンパクトカメラといえばたしかリコーの「ハイカラー」とコニカ「c35」だったと思うが両方とも露光制御がcdsで電池を使用する。その点トリップ35はセレン使用なので電池不要、おまけにピント合わせはゾーンフォーカス、難しい事言わないで、山、大勢、数人、ひとり、のマークを合わせればだいたいOK。電池カメラ全盛になりつつあった時代にセレンとゾーンフォーカスを使うその潔さが設計者、米谷美久の天才たる所以だろう。その精神と思想は現行ペンには微塵も受け継がれていないようだが。

多少話が脱線したがこの作ったほうもおそらく超初心者を想定して作られたと思うこのカメラ、実際に使われたのはプロやセミプロのサブカメラとしてよく使われたという事実。これぞ米山氏の「誰でも簡単にいい写真が撮れるカメラ」という思想を具現化した査証ではないだろうか。実際構造はシンプルで簡素だが手抜きは無い、ハーフサイズで培ったズイコーレンズのシャープさも相まって写真の仕上がりも申し分無い。撮らなければいけないときに確実に動いて素早く撮れるということを考えると小型化のために沈胴式レンズを採用したローライよりいいカメラではないかと。

あまりに完成されたカメラだったため大きなモデルチェンジなしで1985年まで発売されシリーズ生産台数1000万台を突破したという超ロングセラーカメラとなる。

いいカメラだと思うのだが数が出てることと壊れないことが相まってヤフオクなど中古市場では実用動品が1000円前後で手に入る、実際自分もヤフオクで300円で手に入れたものが全く問題なく写る、ハーフサイズペンなどはセレンの寿命が問題になる個体が多いがこちらは1985年まで発売されていたのでまだまだ使える個体はたくさんあるようだ。

ー以下諸元ー

レンズ:D.Zuiko 40mm F2.8(3群4枚)
フォーカス:人物一人、人物二人、人物集合、山のマークの四つのアイコンから選ぶゾーンフォーカス
露出:セレン光式露出計
シャッター:1/30秒と1/250秒のプログラム方式
フラッシュ撮影時は1/30秒固定(1/30秒に固定すれば手動絞りによりマニュアル撮影も可能)
発売当時の値段は¥13500


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これは面白い! 2眼レフスタイルのインスタントカメラ

2眼レフそのもののインスタントカメラ(インスタフレックスTL70)

いやーこれはやられた。自分も2眼レフの大きな躯体を改造してピールアパートタイプのインスタントペーパー使えるようにしたら面白いんじゃないかと考えていたのだが実際にやるところが出てくるとはまいりました。

いわゆる普通の2眼レフより3割ほど小降りらしいがこれはこれでアリかな、写真で見るからには質感にもかなりこだわっていそうだし。チェキ用フィルムなのがちょっとあれだが今後のことを考えてフィルムの安定供給を考えると選択肢はたしかにこれ一択かもしれない、ほぼスクェアフォーマットのポラロイドフィルムだと2眼レフを使う感じもよりリアルに愛減できたとは思うがまあポラロイド社純正はもう手に入らないし別メーカーが作って入るが高い上に性能が安定してないと聞くのでこの選択が正解なのかもしれない。

今はZINKペーパーやモバイルプリンターなど撮ったらすぐ見れるプリントがインスタントフィルム以外にもあるがやっぱりあのじわじわ絵が出てくるいうなれば魔術的な感じ、何回やっても五感が揺さぶられる感じがしてたまらないんだよね。

変。。かな?

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オールドカメラをiphoneでデジカメ化する。。。だと?


ビンテージカメラをiPhoneでデジカメ化するキット!(ハッセルブラッド用)

面白いものが出た

ハッセル限定だがデジバックよろしくiphoneをカメラの後ろにつけてピントグラスを撮影してしまうというアナログだかデジタルだかよくわからん製品。
ハッセルのデジカメ化といえば先に書いたデジバックというのが一般的。もちろんウチでもハッセルにデジバックをつけて撮影することはあるがが当然値段がいろんな意味で普通じゃないので気軽に持ち出せるものではない。

そこへこのシステム。フイルムがつくべきところにピントグラスをつけてそれをiphoneで撮影してしまおうというかなりチカラワザ的ムリヤリ感、いや嫌いじゃないですよwこういうの。個人的にはイグノーベル賞あげてもいいぐらい。


詳細は上記のリンクを踏んでもらえればわかるので割愛するが使い勝手はかなりよさそうだ。iphoneのシャッターを切るのではなくハッセル自体のシャッターを切るとその振動をiphoneが感知して撮影ができるのもかなりいい。


肝心の画質はと言うとサンプルを見る限りピントグラスのざらつきが見えてよくいえばフィルム的粒子感、悪くいえばざらつきがひどい。トイカメラ風?

ハッセルなど大判カメラ故の粒子の細かさは望むべくもないが、大判ならではの被写界深度の浅さやピントグラス前のフレネルレンズによる周辺減光などそれなりに面白そうではある。値段も手頃だし。

ハッセルオーナーならそれなりに楽しいんではなかろうか。

あ、マミヤ645が今ウチに余ってるからマミヤ用も作ってくれるとうれしいかもしれない(無理目だと思うが)
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